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チェルノブイリ原発事故 菅谷松本市長の記者会見


チェルノブイリ原発事故 菅谷松本市長の記者会見【転載】

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 東京電力福島第1原子力発電所の事故に起因する放射能汚染というのが、

ほうれん草であるとかクキナであるとかそういったものを出荷停止というような

報道だったと思いますけれども、そういったようなことも現実的におきてきて、

市長が以前お話になっていた土壌汚染というのが現実的なものとなってきたの

ですが、果たして内部被爆というようなことも市長おっしゃってたのですけれども。

 そういったものをですね、はたして食べても安全なのかどうなのかというところ

が少し心配になってくるのですけれども、市長のチェルノブイリで医療支援活動

された経験から、その辺のご見解をもう一度伺えればいいなと思ったのですが。

 

【市長】

 はい、それでは今の記者のご質問ですけれど、私ずっと常々というか最初から

この件に関しては、報道の皆さんにも場合によっては社が違う場合かもしれませ

んけれども、私の言葉として表現されているのは、とにかく核の事故という、放射

線の事故というのは最初からある意味では最悪の事態を想定したかたちで先手、

先手として手を打っていく事が大事じゃないかということは、私が5年半の経験をも

とに日本に帰ってきてからそう思っておりました。

 

 しかしそういう中でまさかこういう状況になると思っておりませんでした。

 それは私、皆様のご質問に対しては、一つは20キロの避難ですけれど、できれ

30キロまで広げたほうがいいのではないのかなということを申し上げ、あわせて

予防的に無機のいわゆるヨード剤を投与しておいたほうがいいんではないのかな

ということも申し上げましたし、場合によっては避難ではないのですけれど、やはり

50キロ位、チェルノブイリの場合だと30キロゾーンは人が住めないわけですけれど、

チェルノブイリと同じにしてはいけないのですけれど、そしてできれば50キロ位まで

の範囲っていうのは注意したほうがいいのではないかなと。それくらいやはりいわ

ゆる大気汚染が広がるよということを申し上げたところでございます。

 それからまた特に乳幼児とか妊産婦に対してはヨード剤の予防投与ということ

は、これはまさに内部被爆の問題なんですよということを申し上げてきたんですね。

 

 どうしても政府を含めて皆さん方は外部被爆のことだけを取り上げているので、

そうではなくて皆さん3つの点に注意してください。

 一つはマスクをしてください。なぜマスクをするかというと、汚染されていて、これ 

に浮遊している放射性の降下物が鼻から気道ですね、気管をとおして肺に入って

それが吸収されて血液の中入って体に蓄積されるということですね。

 それから二つ目は肌は露出してはいけないということ。これは皮膚からですよね。

いわゆる吸収されて体の中に入ちゃいけない。

 もう一つは口から入るっていうこと、この三つなんですね。

 ですから経気道的、経皮、皮膚ですね、それからもう一つは経口的なんですよ。

この三つが経路になっているんです。

 ですからできるだけここに取り込まないようにってことを言っているのです。

 取り込まれたらどうなるかっていうと、その放射性物質が放射性ヨードであり、

セシウムであり、ストロンチウムであり、プルトニウムであって、それらが入ると

大変なことになりますよ。

 

 これは今じゃなくって5年、10年、30年セシウムとかストロンチウムの半減期が

30年ですから、放射性ヨードの半減期は1週間ですけれども、そういうようにですね、 

取り込まないようにって言っているにもかかわらず、今回のようにですね、ほうれん草

ならほうれん草に、今度はシーベルトからベクレルってキュリーです。

 皆さん良く知っているキュリー夫人のキュリーです。いわゆる放射能の強さを表す

のですけれども、今回のほうれん草の場合でも日本の基準で2000ベクレル/キロ

ですよね。/リッタ?という事でいうと倍になっていて、そういうなかでもってそれを 

要するに食べてもいいかって言われたら、語弊がありますが、できるだけ口に

しないほうがいいだろうっていうのは、これは現地に行った者としては、本当に言い

たいのは子ども達やあるいは妊産婦、胎児の命を守るという意味でいったら5

とか10年、チェルノブイリでもって甲状腺がんの子どもが増えたのが5年後なんですよね。

 

 5年後から出てきているんですよね急激に。そしてその事故前の時の子どもの

発症率というのは100万人に1人か2人でこれはチェルノブイリのところも同じなんですよ。 

 それが汚染地になるとそれが100倍になったり、ひどい時には130倍ですね、ゴメリ市なんか。

 

 だから将来のことを考えれば、これは本当に申し訳ないけれど、作っている

方々に。しかしこれはそんな事を言っても色々ありますけれど、風評ではなくて

事実として、これはやはり押さえておかなければいけないと私は思って、パニック

でなくて国民も冷静に聞いてくれて、そして今の時期は食も少しひかえてもらうと

いうこと、そのためにも早くに放射性ヨードをやらないと、もう入ってしまったら終わりなのです。

 

 私はですから前から予防適応しておいた方がいいですよって、みんな今政府

においては後手後手ですよね。

 避難している人たちも放射性ヨードっていうけれど、もう避難しているわけですから、 

避難中に被爆して入ってしまえばいくら後でやっても遅いのです。

 そういう事がちっともわかっていないってことが、

きわめて残念だってことを申し上げたいですね。

 

 ですから原発のあそこの今の状況は、是非ともこれは国をあげ、それから

海外の力を借りてあそこをとにかく消火する。

 外に放射性物質を出さないってことは最大限やってほしいのだけれど、私は

もう一つもう一番最悪であった土壌汚染ということは、これまさに環境汚染。

水も汚染ですしそれから食物も汚染、これ出てしまったんですね。 

 ですから次は経路汚染、経口的になるからだから取り込まないようにするって

ことは当たり前のことなんですけれど、それが抜けちゃっていることで「安心、安心」 

って放射線1回浴びることは、そんな問題ではないですよね。

 

 あれは外部被爆なんですよね。皆さんだって検査された時にエックス線浴びる

わけですよね。それは1回だけですよね。そうじゃないんです。入ったものは沈着

して抜けない、そして今やこれからのことは、いわゆる放射能沈着という表現しま

すけれども、放射線降下物、フォールアウトですから、今舞っているのが下に

降りますから、落ちると土壌が汚染されます。

 当然土壌とそれから水だって汚染されます。一方で葉物ですよね。葉っぱ

の上にやはり降下するわけじゃないですか放射性物質が。で、それを牛や羊が

食べるわけじゃないですか。そうするとそれが放射性物質が今度はお乳の中にでるわけですよね。

 

 そのお乳を人間が飲むわけですよ。これがいわゆる食物連鎖というわけですよね。

 またその土壌の中に落ちたというようになると、そういう食べた牛やヤギが

糞とかおしっこを出します。ここに放射性物質が溜まりますから、それがまた地面、

土壌を汚染するこれ悪循環、これ食物連鎖やってるわけです。

 

 また汚染された土壌からは今度はセシウムのような物がですね。今度は葉物

じゃなくてようするに根菜類ですかね。根からまた吸収されますから、特にセシウム

などは消化管からほとんどが吸収されるってこともわかっているわけですから、

それから放射線なら甲状腺に集まってしまうわけですから、ですからそういうことが

事実としてとらえてですね、やはり報道していくのは国からもいかないと、単に「冷静 

に行動してください」とか、なんと言いますかね数的なもので被爆がこうでじゃなくて5

年、10年日本でやはり、だからもし将来ですね、わかりませんけれど悪性の新生物が

日本で増えてきたような状況の時にはいったい誰が責任とるんでしょうかね。

 

 だからそういう意味で今言ったように、できるだけ放射性物質を体に取り込まない

ような注意をお互いにしていったほうがいいのではないかな、というようなことであります。

 そういう意味でも今後全国でも食品に対しては多分汚染の状況をチェックしてください

という言葉がいろいろ出てくる思います。

 

 心配ないものは本当に食べていいです。私自身は汚染地でジャガイモを食べたり

人参食べたり玉ねぎ食べたりやってきていますけれども、できれば大人はまだいい

ですけれども、これから生まれてくる子どもや、あるいは小さい子供というのはそう

いうことの無いようなことをしてあげなければいけない。

 そこで放射能の許容レベルは、先ほど記者が言われたように、これは許容レベル

というのはあるんですけれども。

 

 例えば事故の時にポーランドでは、事故から4日目なんですけれども、国の命令

ですよね。 それで乳牛に新鮮な牧草を与えることを全国的に禁止しているんです

よね。それから100ベクレル/リッターということは100ベクレル/キログラム以上の

汚染ミルクを子どもやあるいはまた妊娠、授乳中の子どもが飲むことを禁止している

とか、4歳以下の子供は原則として粉ミルクを飲ませる。この時は急きょ粉ミルク不足 

の分はオランダから緊急輸入をしている。それから子どもや妊娠、授乳中の女性は

できるだけ新鮮な葉菜類、葉物は摂取を控えるように指示している。こういうふうに

対策をとったんですね。

 

 ですから今回の場合に、これが1000ベクレルですから、ほうれん草なんか

4000ベクレルですから、そういう意味では、やはり残念だけれども、特に生産者は

本当に気の毒ですけれども、子どもたちの命、将来のことを考えれば、この場は

政府が最大限に保証してあげるということで、しばらく汚染の状況が安全のところ

まで行くまでは、それはミルクもそうですね。

 

 これは1987年ということで、1986年が原発の年ですけれど、1987年ヨーロッパの

食品の放射能の限度というか安全許容量を出しているのが、有名なネイチャーと

いう雑誌に出ているんですけれども、これは乳製品だと、これはバターとかミルクとか 

チーズとかアイスクリームとかはセシウムは1000なんですね。ヨウ素が500なんです。 

ストロンチウムが500、プルトニュウムが20ベクレル/キロです。

 乳製品以外の食品というものがありまして、これはそれ以外のものですね。

これがセシウムが1250、ヨウ素が3000、ストロンチウムが3000、プルトニウムが80

 それから飲料水がセシウムが800、ヨウ素が400、ストロンチウムが400

プルトニウムが10ということで。

 

 また家畜の飼料は、セシウムが2500と、このように一応基準は設けてあります。

 多分これに準じて日本の場合もこうやってあるんだろうと思いますが、きちっと

したものは無いんですけれどね。

 各国違います。しかし大体この一つの基準というのはあるわけで、どれがいい、

どれが悪いんじゃなくて、ご承知の通りチェルノブイリだってあそこの30キロゾーン

でなくて100キロ以上離れたところで、ホットスポットって言いまして、ある場合には 

雨の状況で、日本は雪ですけれど、それによってはフォールアウトが、ある所に

集中的にポンポンと点状に落ちる。だからそういう所で生産されたものというのは

当然汚染されるわけです。

 

 そういう意味で今回私も意外だったのは、茨城の方で高濃度って何故かって、

これは当然大気汚染であちこちに汚染された大気があるわけですから、その中に

雨が降って雨の粒の中に、私が前に言ったように「雨とか雪は注意した方がいい

ですよ」と言ったら、雪が降ってしまいましたけれど、そういうのはやはり放射性

降下物も含まれて落ちるわけですから。

 

 そういう所、残念ですけれど、そういう所の場合は可能性はあるということを、

一応私は、皆さんをパニックではなくて「こういう事実がありますよ」ということを

知っておいてもらった上でもって冷静に対応してもらうって、こういう表現をして

いかないと、ただ単にエックス線で当てて1回でこうだとか、そういう外部被曝の

ことを言われるので、これは私は、もしかしたら菅総理大臣が自ら国民に向かって

「こうなんだ」って、とにかく子ども達や、あるいは妊産婦を含め胎児たちの命を

守るんだと、将来のことを考えて、ということを言わないと、私はいけないと思っております。

 

 これは誤解なきように、皆さん方ある言葉だけを出されますから誤解されて、

私いつも言われてしまうんですけれど、そうではなくて、もし心配だったら全部出してください。

 そうでなかったら出さないでください。それくらいの私は皆さんに今、私自身

がチェルノブイリで経験したことをお話ししているわけですから、決して政府を

批判ではないんですけれど、事実としてとらえてほしい、しかも国民の皆さんは

落ち着いてくださいと、こういう事があるけれども、安心なものは食べていいです

からということで私は申し上げております。

 

 私自身も5年も汚染地で向こうの人と同じものを食べてきたわけです。

 だから、実際に言えるのは甲状腺のがんに関して放射性ヨウ素がこんなに

高いのに、昨日の長野県の、今日の報道を見ていますと、その4000ベクレル

じゃないですけれども「ほうれん草を洗わないで500グラム食べても安全だ」と

いうそういう県からもしメッセージを出しているようでしたら、報道を見た限り

ですけれど、これが事実であれば大変な事を言っているなということで、

やはり相談にのる人も慎重な答をしていかないと、安心安全と言っても新聞の

社説によっては、安心安全冷静ということは、もっと具体的に出してもらわないと

私わかりませんよというのは、私はあの通りだと思うんです。

 

 内部被曝の問題は一切出してないし、食物連鎖の話も一切出してないです。

 しかも510年先のこと出してないですね。

 私はそういうことも出していかないと、国民がうんと不安に思うから、敢えて

今日は申しあげたところでございます。

 

 是非とも報道の皆さんも、ある意味では刺激的なタイトルで出す。それは

やめてください。私は事実を申し上げただけでございます。

 皆さん、全部出してください。出さないから、そこだけ取っちゃうから読んだ

市民が非常に不安になるから、今日お願いしたいのは書けないんだったら

出さないでほしいということ、皆さんの中でご理解いただきたいとこのように

思っております。以上です。